私はこれまで経済解説講座を何回かこのブログでしてきた
しかし、基礎的なことを語らずに、内生的やらどうたらなどの説明はしても、
基礎的な解説を最初にしなければ意味がないということに気づいた。
今回は需要や供給や経済についての基礎的なことについての解説、説明をする。
知っていたら飛ばしていい。
経済とは
そもそも経済とは何か。
経済の語源は『経世済民』である。
『世を経(おさ)め、民を済(すく)う』
今の世の中では経済ということばは「金稼ぎ」やら「資本力を強める」などの意味に捉えがちだが、実際はもっと広く、政治や安全保障、治安だのの意味も含まれていた。
「金稼ぎ」などはむしろ「経営」というべきである。
経済を理解する意味
経済を学んでも金を稼げるわけではない。さっきも言ったがそれは経営でありそっちの方を学ぶべきである。あとはミクロ経済学など。
先に名前を出してしまったが、経済学にはマクロ経済学とミクロ経済学の二つがある。
マクロ経済学とは、国や世界などの広い市場全体を扱うものであり、貨幣や全体の労働市場、金融市場、生産物などを分析する学問んである。
ミクロ経済学とは、企業や家計などの市場の最小単位から分析するものであり、消費者理論やマーケティングなどです。
あなたがラーメンを売る店長だとして、どうやって売り上げを伸ばすかを考えるのが経営やミクロ経済学であり、あなたの手元に来る貨幣や資本はどうやって来ているのか、ラーメン市場全体はどうなっているのか見るのがマクロ経済学です。
マクロがダメになっているのならミクロでもダメに向かいます。
ラーメン消費者がラーメンに飽きている、もしくはラーメンを食う金がなければいくら売り上げを伸ばそうとしてもうまくいかなくなります。必ずしもそうではないですが。
すなわち、マクロを学ぶことは全体の流れを見極めることなのでこの国がどうなっていくかも理解しやすいです。未来予知というわけではないですが、不確実性のある暗い未来を少しでも照らすことにはなるでしょう。
また、その市場の変化を読み取れればその市場に入ることのリスク管理にもつながります。
自分がどの職業に就くかやどう行動するか選挙でどの党に投票するかなどの指標になります。
私が解説するのはマクロ経済学です。
まあ、あとは不労所得だの何だの(株やFX)に興味あるなら意味があるかもしれないし、経済=生活と言っても過言ではないし学んだからといっても金持ちになるわけではないし、はっきりいって自分は趣味でやってるだけですし、今後の(自分の勉強)計画だと経済学に対してそこまでのリソースは割かなくなるので今のうちに考えをまとめようかなと思って記事にしてるし、この経済講座というのを描いてるのであって、、、
需要と供給
経済に関する言葉で需要と供給は必ず出ます。
需要とは購買力のことを指します。
社会全体の需要を総需要と言います。
総需要の大きさは消費、投資、政府支出、純輸出(輸出ー輸入)で表されます。
供給とはモノを生産し市場に出すことを言います。
企業は機械や労働力を使ってモノやサービスを生産します。
社会全体の供給を総供給と言います。
国全体の総供給は生産総額です。
デフレとインフレ
デフレとインフレも経済を語る上で必要な要素です。
デフレーションとは
デフレとはデフレーションの略です。
よく物価が下がったらデフレと言われてますが、それでは言葉不足です。
デフレとは需要と供給のバランスで見て、総需要よりも総供給の方が上回ってる状態のことです。
モノやサービスがあっても購買力が足りないため、物価は下がったりし貨幣の価値は高まるのです。
物価が下がるのは輸入品で下がったり(中国から安い製品が入ってくる、関税が下げられる)
バブル崩壊などで資産価格が下がり、企業や家計に損が発生し消費が抑えられ物価が下がる。
また技術革新により生産量が増えた時も安い価格で売れるようになり物価は下がります。この時市場の競争相手の企業は価格の差で売れなくなり業績悪化、失業者の増加なども起きます。例えるならユニクロやしまむらなどの低価格の服で他の企業が参入できなかったりなどがこの事例に当たります。
また、デフレーションの恐ろしいのは、貨幣価値は高まるので貯蓄をした方が徳になり誰もが消費よりも貯蓄を優先しさらにデフレが加速したりすることです。
これをデフレスパイラルと言います。
貨幣の価値が上がることはモノよりもカネを欲しがるので消費者は貯蓄し、企業は投資をせずに貯蓄します。内部留保が増えている等の話もここにつながります。
企業の投資というのは生産性の向上のためにするものです。設備投資、人材投資など。
しかし、いくらモノ、サービスを生産できるようにしても需要がなければ売れない、供給過多、需要不足がデフレなので、デフレの時には投資をしません。
日本の生産性の低さなどがよく言われますが、機械化などをしたり効率良くしても需要がなければ赤字になるだけです。生産性の低さもデフレが起因しています。
インフレーションとは
インフレーションとはデフレの逆です。
総供給よりも総需要の方が上回ってる時に貨幣価値が下がり物価は上がります。
インフレといっても種類があります。
デマンドプルインフレーション
さっき説明した総供給よりも総需要が上回るインフレをデマンドプルインフレーションと言います。
モノ、サービスの生産が購買力よりも追いつかないことで起こることです。
コストプッシュインフレーション
コストプッシュインフレはモノを生産する際の原材料の高騰(石油など)賃金の上昇などで起こるインフレです。
オイルショックなどが事例です。
ハイパーインフレとは物価の上昇がとてつもなく上昇することです。
インフレ率が毎月50%超えることと一応定義されています。
ジンバブエなどで有名でしょうか。
ジンバブエのハイパーインフレの発生原因などは過去記事に書きました。
ハイパーインフレは基本的に供給能力の壊滅が起きないと発生しません。
戦争や内乱、社会不安生など、政策のミスなど。
貨幣の供給量が増えただけではハイパーインフレなど起きない。
起きた歴史はない。
それを貨幣の増大が原因などというレッテルを貼り付けてきたせいで、日本でハイパーインフレなどとほざく馬鹿が多いのだろう。
日本ではハイパーインフレの言葉が大好きなやつが多すぎる。それはジンバブエの時に報道しまくったのとジンバブエドルがネットミームの一つになっていることなど、また日本が財政破綻する!日本円が紙くずになる!などというデマをばら撒くやつらのせいで日本もジンバブエになるんじゃないかという危機感からくるものもあるのだろう。
そして、ジンバブエのハイパーインフレの原因は貨幣量の増大という嘘により、金を刷ったらインフレになるなどという馬鹿げた知識が広がり、また日本の財政はやばいなどという嘘と噛み合わさる結果がこの長期停滞の一因なのは確かだ。
スタグフレーションとは物価の上昇と景気後退が同時に起こることです。
物価は上がるのに賃金は上昇しない、失業率は増加し生産が停滞していくのです。
今の日本はデフレであるとされています。
物価で見たら上昇しているのですがそれは消費税によるもの。
消費税は間接税なので消費者物価指数に含まれる。
貨幣
今の世の中ではドルや円、ユーロが流通しています。
なぜ貨幣を使ってモノやサービスが購入できるのでしょうか。
貨幣に価値があるから?ではその価値はどうやって決めてどうやって生み出しているのでしょうか。
昔は金と交換できたから価値があったと見做されたわけですが今は金本位制ではありません。
実は貨幣には価値がありません。現金はただの紙切れですし、預金はただの数字にすぎません。
では価値のない紙切れがなぜモノと交換できるのでしょうか。
信用貨幣を理解しないといけません。
貨幣とはモノではなく決済システムであり、
つまり貨幣とは負債であるのです。
我々の持っている現金はどこから来たのでしょうか、
まず現金を手にする時に預金を引き落とし現金にしますよね。
現金とは預金の実物化であり形式が変わったとも表現できます。
では預金はどこから来るでしょうか。
預金は銀行にあります。預金は銀行にとって負債です。
あなたの口座に預金があるのは誰かが振り込んだからです。
ではそれを会社の給料としましょう。
会社にとって給料は費用であるので負債です。
会社の口座からあなたの口座へと振り込まれたわけです。
では、会社の口座の預金は誰からでしょう。
会社はモノやサービスを労働者や機械によって生み出しそれを売り儲ける。
しかし、購入者の貨幣も預金からまたその預金も銀行、会社と無限ループになります。
なので会社設立時の原点に帰ります。
会社を設立する時に融資が必要です。
その融資は誰が出すか、いろいろありますが基本的には金融機関、すなわち銀行ですよね。
ではその銀行の融資の原資はどこから来ているのか。
銀行のお金はどこから来るのか。
中央銀行?いいえ、銀行が融資すなわち貸出をする際には原資は要りません。
銀行は無から預金を想像できるのです。
これを信用創造といいます。英語ではマネークリエーションつまり貨幣創造とそのまんまです。
この貸出から預金が生まれ貨幣が循環するのを内生的貨幣供給論と言います。
しかし、銀行による信用創造は預金と同額の負債も生まれます。
負債なので返済によって消滅します。
銀行貸出による貨幣(預金)は消滅するのです。貨幣量の全体で見るとね。
預金とはただの数字にすぎません。銀行は数字を書くだけでそれは預金になるのです。
なので万年筆マネーとも呼ばれます。現代ではキーボードで打ち込むだけなのでキーストロークマネーとも言われてます。
法定準備預金制度
無から預金を生み出せるわけですが、制約があります。(正確にはこれは制約になっていないが)
それは準備預金制度です。銀行が貸出をする際にその貸出の金額の数%の預金を中央銀行の口座にないといけません。
例えば準備預金率を1%とすると、銀行が100億貸出する時に1億の準備預金を中央銀行の口座にないといけません。実際は0.1%くらいだった記憶
あ、準備預金とは民間銀行が中央銀行に預けるお金のことです。
準備預金は中央銀行と銀行と政府との間のみ流通する預金です。
民間、(私たちや企業)では使えない預金すなわち貨幣なのです。
しかし、準備預金制度はあまり意味がない。
まず、準備預金がいくら必要なのか計算するのに期間が必要だし、そして計算された額を中央銀行に積み上げる期間が必要である。
日本では1日から月末までが計算期間、16日から翌月の15日までが積み上げの期間。
さらに、中央銀行は銀行から資金供給の要求があった場合これに応じなければならない。そうしなければ、金融機関は決済できず決済システムそのものが崩壊するため。
中央銀行が銀行の貸出を抑制できる方法はない。
あるのは金利操作のみである。
量的緩和などという銀行から国債を買い準備預金を増やしたところで意味がない。
つまり、準備預金を増やしても民間の預金は増えません。
言い換えるとマネタリーベースを増やしてもマネーストックは増えない。
マネーストックとは銀行預金と流通している現金を合わせたモノです。
このマネーストックを増加することが経済の活性化に繋がります。
マネタリーベースとはこれに日銀当座預金を足したものです。
10000円札は日本銀行券と書かれています。1000円札だろうが5000円札だろうが一緒。
これは日本銀行の負債であるということを表しています。
負債がお金として回る経済を信用貨幣経済と言い、現代の経済はこの信用貨幣経済です。
政府支出
では政府の支出はどうなっているのか見てみましょう。
政府がモノを購入したケースで見ます。
政府が支出をする際には政府預金という中央銀行にある口座から支出をします。
政府預金を調達する時には、政府は「政府短期証券」を発行して民間銀行などに売却して資金を調達します。この資金は準備預金です。この時に、民間銀行の準備預金が政府預金に振り替えられるのです。
そして、購入先の口座がある銀行に準備預金を振り込みます。
中央銀行の政府預金が準備預金に振り替えれます。逆になるだけですね。
口座がある民間銀行では振り込まれた額の準備預金と同額の預金を信用創造します。
準備預金と預金は違うマネーなので。
この時、預金と準備預金は増加する。
そうした場合、準備預金の増加はインターバンクの金利下げ圧になるので、この金利下げ圧を解消するために国債というものがあるのだ。
国債とは事後的に発生しオペレーションするものであり、国の借金などではない。
まあ、この辺の話は過去記事でまた詳しく書いてあるはず。。
納税した場合
我々の預金と銀行ー中央銀行ー政府の預金が違うなら納税はどうなるのでしょうか。
まず、納税した場合、納税額を銀行に振り込みます。
銀行は準備預金を中央銀行の政府預金口座に振り込み、納税者の預金を破壊します。
破壊とはその預金の額を減らすことです。民間預金は政府の口座に行かず消されて代わりに準備預金が行くのです。
中央銀行は銀行の準備預金を政府預金口座に振り替えます。
そしてこの場合、準備預金は減ったのでインターバンク市場の金利上昇圧を起こすので、中央銀行は国債の買いオペなどで準備預金を供給します。
となると、民間預金は減りますが、準備預金は減りません、変わっていないのです。
もし、この後政府が得た政府預金で国債を購入して償還すれば政府預金と国債が消滅し、ただ民間預金が減っただけです。
政府の負債を減らすというのはこういうことです。
そもそも政府預金がなくとも政府支出はできるのであって。。。
税金は財源ではないということ。国債も財源ではない。
では税金の意味は?
税金の意味は
政府支出の際に税金はいらないとすればなぜ税金として民間預金を破壊するのでしょうか。
貨幣が負債であるなら誰にでも貨幣を発行することができるが、問題はどうやって貨幣を受け取らせるかだ。
貨幣には明確な使用目的がなければいけません。それが税金なのです。
税金で貨幣が流出する、さらに税を払わなければならない義務が生じていますのでこれが貨幣流通の一因なのです。
租税が貨幣の流通の役割を果たしている。
これを税が貨幣を動かすと表現しました。
税の役割の一つに貨幣流通があるのです。
また炭素税を導入すれば二酸化炭素の抑制につながるし、消費税なんて消費の抑制になる。所得税は格差是正。
こうした経済に与える影響も税の役割である。
また税には負債の、すなわち信用貨幣の大きな役割もある。
次の章で詳しく述べる。
債務ヒエラルキー
債務が債務たらしめるためにはその債務が償還されなければならない。それには受け取る方の信用がなくてはならない。
それはどういうことか。
債務が償還されるというのは、その債務が債権と相殺されること、もしくはその債務がそれ以上に信用されている別の債務と交換されることである。
例えば、売掛金と買掛金とか、これは簿記について知らんと伝わらんか。
債務が他の債務と交換されるというのは、約束手形を銀行の負債と交換するなど。
銀行の負債の方が信用が高いので。
まあその信用の階級を示した図がこちら
まあ、図で見た方が早いと思います。
銀行が倒産しそうとか預金封鎖が起こるなどした場合に、人々は現金化しようとします。
現金は民間銀行預金の上位にある中央銀行の負債なので、上位の負債に交換しようとするわけです。信用力がより上位なので。中央銀行は破産を起こさないので。
余談ですが、倒産の危機だと騒がれるドイツ銀行は民間銀行です、ドイツの中央銀行はドイツ連邦銀行です。投資家とかFXやってるバカはよく勘違いしてます。
まあ、EUではマーストリヒト条約により中央銀行の機能を欧州中央銀行に預けているのですけれども。。。。
このヒエラルキーのトップにある負債は、トップなのだからこれより上の債務はない、だから他の債務によって償還されることはできない。
となると、債権との相殺しかないのだが、この債権とは何か。
それは課税債権である。未払税金がこの債権と債務の相殺を可能にする。
税金という債権は政府によって義務的に発生する。
この義務を果たすことが経済活動の必要条件である。
そしてこの債務を償還するために中央銀行の負債が必要とされるのである。
中央銀行の負債とは準備預金のこと。
税金が義務的に存在するので我々、いや国内での経済主体全てが債務者となる。
なので、準備預金が無価値になることは国家の崩壊を意味する。
つまり、ありえないということだ。
負債とは
貨幣は負債である。と言ってもそもそも負債って何?って話になる。
多くの人間にとって負債とは借金という認識だろう。
政府の負債を国の借金がーと言い換えて報道しているわけだから。
借金とは金を借りること、将来の所得と現在の所得の交換であり、この交換比率から1を引いたものが金利になる。などと言ってもじゃあ、貨幣は借金かと言われると少し違うのではないのだろうか。
簿記会計について知らないとついてこれないだろうが。
手形の裏書譲渡などもわかりやすい例になるのではないか。
インターバンク市場
インターバンク市場とは金融機関同士の資金の取引を行う場所です。
取引関係者は金融機関のみです。中央銀行も含まれます。
準備預金で取引されています。
銀行間決済も準備預金で取引されています。
もう少し詳しく書きたいが、また別の記事で詳しく。
無担保コールレートとか。
マークアップ
マークアップとはポストケインジアン用語ですが、マーケティング用語でもあります。意味は上乗せです。
PKでは商品の価格はコスト+企業側の決める利益分となっており、これがマークアップです。
以下アイクナーのポストケインズ派経済学入門から抜粋
PKは市場をカレツキ的に二つに分ける。
伸縮価格市場と固定価格市場である。
伸縮価格市場は主に原料および1次食料品の取引に関する市場である。
この市場は供給と需要の関係で価格が設定される。
伸縮価格市場においては価格が買い手の需要水準に依存しつつ調整されるが、固定化価格市場においては需要の変化は主として産出量の変化によって満たされ、価格は相対的に変化を受けずにいる傾向がある。
PKは現代資本主義経済の民間企業部門のはるかに重要な部分は第二の形態の市場であると主張する。
この部門内の諸産業は構造上ほぼ寡占的であり、その市場支配力とその製品の供給諸条件によって期待される売上高から、その計画される投資支出を賄うことができるほど十分な留保利潤を生成するように、価格を設定できると考える。
PKは寡占企業の価格設定行動は投資支出の目的のための内部的源泉から生じる資金に対する需要によって説明されうると主張する。
正常生産費用を超えて利潤マージンを設定し、望む投資支出のほとんどを賄えるキャッシュフロー(減価償却引当金+留保利益)を生成することができるようにする。
すなわち、価格の動きは内部的に生成される投資資金に対する企業の要求額および正常生産費用の動きに依存する。
マークアップは計画された投資支出を賄う必要性と直接に結び付けられている。
一万字行きそうなのでもうやめときます。。。