三月生まれの生存戦略

Twitterで言えないこと書きます。3月生まれで苦しむ子羊たちの先導者になります。

嚴巍とは何か

 

お久しぶりの更新です。

 

皆様いかがお過ごすか?

 

夏休みを満喫していない方や、まともな職もなく非生産的で自堕落な日々を過ごすニートがこのブログの読者であることは把握しております。意地悪な質問をしてしまい申し訳ございません。

 

ちなみに僕は毎日が夏休みです。終わってます。誰か助けて

 

一つ残念なお知らせがあります

 

このブログのアクセス数一位の記事はとあるナンパ師の武勇伝という名の過去の暴露話だったのですが、ある権力によりその記事は今はもう見ることはできません。非公開にしなければ私の命はありませんでした。そのことはまたいつか話せる機会があれば話します。今は時期が悪い。

 

まぁ、そんな話はいいではないか。

 

明るい話をしましょう。

 

 

というわけで、

 

今日は夏なので怪談話を一つ。

 

皆さんは嚴巍と呼ばれる生物を知っているでしょうか?

 

妖怪や呪術、民謡に詳しい方でもおそらく聞いたことはないでしょう。

 

かなりマイナーな化け物だと思います。

 

参考文献もほとんど無く、妖怪図鑑にも彼については載っていません。

 

私は嚴巍について知るために、この世界で嚴巍についての唯一の研究機関であるコロンビア大学に電話し取材してきました。このブログに嚴巍の真実について述べたいと思います。

 

嚴巍とは何か

嚴巍という名が初めて記載されたのは平安時代

菅原道真と同時代を生きた著名な学者の三善清行が残した著作「善家秘記」というものがあります。これは奇談を集めたものでそこにこのような話があります。

 

父の氏吉は貞観二年(西暦860年)に淡路守に任じられたが、同四年、重い病にかかり危篤になった。そのとき、よく鬼を見たり人の生死を知ることができるという巫女が阿波国から来たので、その女を招いて病人の脇に侍らせた。すると巫女は「鬼が鎚をもって病人のところにやってきたが、一人の男がこの鬼を追い払っている」と何度も語った。また、「この男は三善氏の氏神に似ているから、氏神をしっかり祈る様に」と告げた。その巫女の言う通りに氏神をしっかり祈ったところ、巫女は「男が鬼を追って阿波の鳴門の彼方に行ってしまわれた」と告げた。その後、氏吉の病は快方に向かった。

貞観六年、氏吉がまた病になったので巫女を呼び寄せたところ、今度は氏吉の寿命が尽きたことを暗示する「氏吉の枕もとで例の男が泣いている。三善氏の氏神社が荒れ果てている」という占いをした。

数日後、氏吉は亡くなった。

 

 

この話に登場する巫女の名を嚴巍と言う。

 

平安時代では病気や死は鬼の仕業であるとされ、この鬼を見る能力を持つ者。

 

これが嚴巍の正体です。

 

 

そんな嚴巍ですが、25年前に二代目嚴巍が生誕しました。

隔世遺伝により嚴巍の遺伝子が現代に表れたのです。

 

嚴巍の母親の日記がメルカリに売られていたので調査のために購入しました。

 

その日記にはこう記されています。

 

 

【性行為のことを仲良しと言う人達の日記】

1987年 付き合う (*˘︶˘*).。.:*♡

1989年 初仲良し ♡(///ω///)

1995年 結婚 .+゚結(*´э`人´ε`*)婚゚+.

1996年 仲良し (*′皿`艸)

1997年 嚴巍(ごんぎ)生誕

2005年 嚴巍(ごんぎ)死亡 死因:OD(オーバー・ドーズ)

 

 

二代目嚴巍は貧しい家に生まれた。父親はギャンブルと風俗に明け暮れ、家にはほとんど帰ってこない、別の女の家で寝ているのだ。

ほぼ母親一人の手で育て上げられた二代目嚴巍は片親パンを食べながらボロアパートの中で生きてきた。

辛いことも多かったが平安時代に比べればマシだった。

 

歳を重ねるにつれ二代目嚴巍には嚴巍としての能力を覚醒させていった。

そして彼は知った。

母親の死期が近いことを。

 

死期か近い理由を二代目嚴巍は幼いながらも理解していた。

 

それは父親によるDVだと。

 

あまりのDVの酷さに隣人が警察を呼ぶほどだった。

 

しかし、警察も事件性が無ければ民事の領域には踏み込めない。

結局何の解決にもならなかった。

 

見かねた隣人が二代目嚴巍に話しかけてきた。

 

「アナタノチチオヤハクルッテマス」

 

「コノママジャミンナシニマス」

 

まだ死にたくないと二代目嚴巍は答えた。

 

「ワタシジツハコロシヤデス」

 

「10マンデアナタノチチオヤコロセマス」

 

そんな大金を二代目嚴巍は持っていなかった。

 

「ジャア、オカアサンノユビワデイイデス」

 

二代目嚴巍は母が大切にしていた結婚指輪を盗み、隣人に渡した。

 

「ジャア、チチオヤガキタラ、ドアヲノックシテヨンデクダサイ」

 

隣人はニッコリ笑い部屋に戻っていった。

 

そして夜八時頃、父親が酔っ払って帰ってきた。

 

二代目嚴巍は急いで隣人のとこへ向かった。

 

しかし、ドアをいくら叩いても出てこない。

 

隣の部屋からおじさんが出てきた。

 

「ああ、隣の人は引っ越したよ」

 

玄関には鍵がかかっていなかった。

扉を開けると

書置きが残されていた。

 

「ヒトニタヨルナ」

 

 

 

 

数日後

 

二代目嚴巍は母親と共に睡眠薬の大量摂取でオーバー・ドーズにより死んだ。

 

この世は鬼ばかりであるということを二代目嚴巍は知らずに死んだ。

 

もう少し成長すれば鬼か人間か判断する能力が身に付いたのに。

 

父親と隣人が鬼であることに気づけていれば。