三月生まれの生存戦略

Twitterで言えないこと書きます。3月生まれで苦しむ子羊たちの先導者になります。

現金給付は経済対策ではない

 

 

ども。

 

今日の日本の議論として現金給付するかしないかがありますが、これが良からぬ議論の方向へ転がっているような気がします。

 

まず、現金給付は経済対策としてするべきものではない

という点です。

 

 

なぜか?

 

まず、現金給付をするメリットを挙げます。

 

  • 休業者、失業者、所得減少者支援
  • 不安の払拭
  • 外出自粛効果、自宅待機効果
  • 消費の活性化
  • 自殺者防止

 

さて、一つずつ説明していきますが、まず初めの理由は言わずもがなでしょう。

家賃が払えない人にとっては有難い話です。

 

不安の払拭とは、現金給付の反論として「貯蓄に回される」というのがありますが、貯蓄が増えることによって不安が解消されるという効果もあり無駄ではありません。

 

今回のコロナ危機が収束するのは ワクチン、特効薬の完成するまでという長期のスパンでの戦いになります。

 

そのため、買いだめ行動や消費、浪費の低下が起こるのです。

 

貯蓄が増えれば人々の買いだめ等の行動にも変化をもたらすかもしれません。

 

しかし、これは一回限りの給付金ではダメです。最低でも半年間は給付しないと効果は薄いでしょう。

 

また外出自粛等なのですが、これまた現金給付の反論で「お金をもらったら経済活動のために人々が活発化し感染拡大する」というのがありますが、むしろこれは逆で、外出しているのは仕事などの金稼ぎのための外出者が殆どなので(イベント等が自粛しているので金をもらっても出かける理由がないでしょ)この状況下でも仕事をせざるを得ない(金を稼がなきゃいけない人たち)の活動を抑制させるために現金給付し家に居させるという効果があります。

 

政府から一定の給付金を受け取っていれば会社側も休業などにしやすいわけですし、労働者も納得できます。

 

もちろん、それでも働く人々はいるわけですが(インフラ関連、物流関連)

それらの人にはまた違った対策支援を施す必要があるわけです。

今回の現金給付とは論点がずれます。

 

 

そして「消費の活性化」ですが、

なんやかんや言って、貯蓄する人よりも消費に回す人の方が多い気がします。

まあ、これは実際にやってみないとなんとも言えないわけですが、実際

現金給付を行なった各国のデータも踏まえつつ。

 

消費の活性化を本当に促したのであれば「消費税減税」しかないですけ。

 

さて、「現金給付は経済対策ではない」と述べたわけですが、

 

以前の記事でも述べたように

 

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オリンピック予想は見事はずしたが。

 

今後のコロナウィルスの対応策は、いかに死亡者数を出さないことであり、感染拡大は防ぎようがないわけである。

 

いま求められることは経済対策でも感染拡大対策でもない。

 

時間を稼ぐことである。

 

時間とは特効薬およびワクチン開発までの時間であり

 

それまでに、死亡者数を増加させないように、医療崩壊を避け、感染経路を把握しクラスター潰し、また現金給付等により経済縮小、景気悪化の自殺者を防止を行っていくしかない。

 

 

現金給付の財源は?とか言っている奴がいたら、財源はOvert Monetary Financingです。

とでも答えておけ。

 

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まあこの記事で少し触れている。

 

まあ、リマインドのためここで少し書いておくが

 

例えば、政府がAくんに現金給付をしたとする。

 

政府支出というものはまず中央銀行が現先取引で銀行の保有している国債を準備預金(日銀当座預金)で購入し銀行にあらかじめ準備預金を供給させる。

 

そして政府が国債を発行し、銀行は(供給された)準備預金で国債を購入する。

準備預金は政府預金口座へ振り込まれる。

 

政府は(中央銀行にある)政府預金口座に振り込まれた準備預金を銀行の日銀当座預金口座へ振り込む。

扱っているマネーが準備預金(日銀当座預金、つまり日銀への預金、日銀の負債)なのだから日銀当座預金口座になる。

 

そして銀行は払い込みを確認し、政府から振り込まれた額と同等の金額をAくんの預金口座に数字を書き込む(信用創造

 

ここで注意なのだが、中央銀行を通して政府から振り込まれた準備預金をAくんの預金口座に振り込むのではない。

 

中央銀行および政府と銀行の関係(準備預金)と銀行とAくんの関係(現金預金)は別口なのである。

 

で、銀行の立場としては、政府から振り込まれた準備預金(資産)とAくんの預金(負債)が発生したことになる。同時に。

銀行にとって俺たちの預金は負債なわけです。銀行のものではないのだから。

 

しかし、供給された準備預金は資産であります。

 

銀行にとって準備預金は、銀行間決済のため、準備預金制度を満たすためという二つの需要があります。国債を購入するためにも使われます。

 

準備預金の供給が需要を超え、準備預金が過剰になると、インターバンク市場(銀行同士の資金貸し借りの市場)での銀行間金利コールレート)に低下圧力がかかります。

 

インターバンク市場での銀行間金利の調整は中央銀行の仕事であり、中央銀行は定めた金利目標(政策金利)へと調整しなければなりません。

 

つまり、最初の中央銀行が現先取引した国債を銀行の過剰な準備預金と返還します。

 

これが通常の政府支出です。

 

さて、今回のアメリカの大規模財政出動では中央銀行自らが直接国債購入などをするわけですが、、、

https://www.brookings.edu/blog/ben-bernanke/2016/04/11/what-tools-does-the-fed-have-left-part-3-helicopter-money/amp/?__twitter_impression=true

 

 

中央銀行が直接国債を購入した場合は、政府支出によって増えた準備預金を中央銀行が売りオペで準備預金を回収するだけです。

 

 

さて、政府と中央銀行を統合し(統合政府)会計を連結した場合、

政府預金口座自体が消えます。

中央銀行の負債(準備預金)が政府の資産(政府預金すなわち準備預金)

借方と貸方で相殺されるからです。

そして、この場合、税金等で増加する準備預金は消えることになります。

(これが税は財源ではないということ)

 

そうなると政府支出とは新たに準備預金を創出するだけであり、国債の発行は、準備預金(無利子の負債)と国債(有利子の負債)の交換に過ぎないということになり、国債も財源ではないということになる。

 

では、この政府と中央銀行を連結させることが正しいかどうかになる。

 

まず、中央銀行が発行する準備預金にしても日本銀行券にしても、市場に流通させる根拠となるには「税金という最終需要」による裏付けが必要な観点と、

政府も政府支出の際には中央銀行による準備預金の調整が必要な訳で、会計的にも実務的にも財政システムの理解のためには連結させるのは妥当ではないでしょうか。

 

 

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