三月生まれの生存戦略

Twitterで言えないこと書きます。3月生まれで苦しむ子羊たちの先導者になります。

ウソップゥゥ!!!何やってんだお前ェ!!!!!

ルフィ「ウソップー!何やってんだお前!」 - YouTube

 

ウソップゥゥ!!!何やってんだお前ェ!!!!!

「いや、だからその……おれもよォ、ちょっと言い過ぎたかなァとは思ってたんだけどよ」
「で?」
「でもあいつら、全然へこたれねーからさあ。なんかだんだんムカついてきて」
「ほう?」「そしたらロビンが『もういいわ』って言って立ち上がってよお。そんときのあいつの顔ったらなかったぜ! あれ絶対キレてたぞ!」
「ほほぅ……」
「だって顔とか真っ赤だったし。今にも火ィ噴きそうだったもんな。ありゃ相当頭にきてたぜ。間違いねえ!」
「……」
「まぁとにかくそんなわけで、おれはこれから殺されるかもしれんのですよ、親分」
「バカ野郎ッ!!」ガンッと鉄格子を殴りつけながらフランキーが怒鳴る。
「あの女はそういうことする奴じゃねェだろ!? なんでお前はいつもそうなんだよッ!」
「え……っと」
「確かにお前に悪いとこがあったのかもしれないけどな。それでも、お前の命を狙ってまで復讐しようなんて考えるようなタマか? あの女は!」
「うっ……」
「あの女はな、自分が傷つくより他人を傷つけることのほうがずっと辛いんだよ! そんなことも分からねェのかこのアホガキッ!!」
「す、すいません……」「謝るのはおれたち全員に対してだろうが! まったく……」
はぁ~っとため息をつくと、フランキーは牢屋の中へと入ってきた。
「おい、ルフィ。チョッパー」
「おう」「なんだ?」
「お前らもだ」
「「えっ」」「お前らは今回ほとんど何もしてないだろ。それなのにこんな目に遭ってんじゃねェよ」
「だってよぉ」
「仲間を助けようとして何が悪いんだ」
むくれる二人を見て、フランキーはもう一度深い溜息をついた。
「……まあいい。それより問題はここからどうするかだが……。このままここにいるのはまずいな」
「だよなぁ……。早く助けに来てくれりゃいいんだけどよォ」
「大丈夫なのかなあ」
「お前らが心配することじゃねェよ。それに、今は信じて待つしかあるまい」
「うん……」
「そうだな」「……」
三人とも無言のまましばらく時間が過ぎていった。……それからさらに数時間後。
「来たぞー!!」「麦わら一味だー!!」「敵船を制圧しました!!」見張り台にいた船員たちが声を上げた。
「おおっ! やった!」「来てくれた!」「これで助かるぞー!」
甲板の方からは歓声が上がる。
「よし、みんな行くぞ! 脱出だ!!」
ゾロの声が響き渡り、皆一斉に走り出した。「……それで?」
「はい?」
「結局どういうことだったんですか?」
「ああ、それはですね……」
「……」
ロビンは腕組みをしてサンジを睨みつける。サンジは冷や汗を流しながら目を逸らした。
ここはサニー号。出航の準備を整えていたところへ、サンジが一人でやってきたのだ。ロビンは先日の一件について話を聞こうとしていたのだが、いざ話を始めようとしたところでナミが現れ、「サンジくん! あんたどこ行ってたのよ!」と怒鳴られてしまった。そしてそのまま二人で船首へ移動し、今に至るというわけである。ちなみにウソップはフランキーと一緒に船内の点検中だ。
「あの日は……その、すいませんでした。本当に反省しています」
「あなたが私に謝る必要なんてどこにもないでしょう?」
「いえ、しかしあれはおれの責任でもあるんで……」
「責任?……あなたには関係ないことだわ」
「関係なくはないです。おれもあいつらのことは気に入ってますから。同じクルーだし」
「……」
「だから、それが余計なお世話だと言っているのよ」
ロビンは少し語調を強めて言った。
「私は別に彼らと馴れ合いたいと思っているわけではないわ。自分の意思で彼らの仲間になったつもりもないし。ただ、彼らが私に危害を加えない限りは放っておくつもりだったの。でも、彼らはそれを望まない。だから仕方なく一緒に行動していただけ。それだけのことよ」
「……」
「確かに、あなたの言う通りだったわ。私が彼らに言い過ぎたのかもしれない。でも、それは私のせいじゃない。そうでしょ?」
「はい」
「だったら、どうしてあんなことをする必要があったの? どうしてわざわざ私に嫌われるようなことをする必要があるの? そんなの、まるで嫌がらせみたいだわ」
「……」
「ねぇ、答えてちょうだい。なぜそんな無意味なことをしたの? あなたは一体何を考えているの? 何のために……!」「……」
「……サンジくん?」
「……ははっ」
「え……?」
突然笑い出したサンジに、ロビンは呆気に取られる。
「……はははっ。いや、すみません。まさかここまでうまくいくとは思ってなかったもので」
「え、なに……?」
「ええ、いいですよ。もう隠す必要はないですね」
「あの日、おれが一人で町に行ったのは、チョッパー君に頼まれたからなんですよ」「チョッパーに?」
「はい。『頼むよ』と言われましてね。それでまあ、引き受けた以上はやり遂げないとと思いまして。あ、もちろんちゃんとナミさんにも許可は取りましたよ」
「なに言ってんのよ。聞いてないわよ、そんなこと!」
「ああ、そりゃあ当然です。ナミさんのいない時にこっそり頼んだんですから。ね、ロビンさん?」
「……っ!」
「まあ、それでも怒られるだろうと思ってましたけど、予想以上に怒ってくれたおかげで、むしろ好都合だと思いました。計画通り、後は適当に嘘をついてごまかせば完璧だなって」
「……最低ね」
ロビンは顔を歪め、サンジを睨みつけた。
「最低? ははっ、よく言われます。だけど、あなただって似たようなものじゃありませんか?」
「どういう意味?」「さっき自分で言ってたじゃねえですか。おれたちのことはどうでもいいとか、好きにしてろだとか。あなたも同じでしょう? 他人なんか、自分以外の人間はどうでもよくて、自分の思い通りにならなければ切り捨てる。そういう人間なんじゃないですか?」
「……」ロビンは無言のまま唇を引き結ぶ。
その表情を見て、サンジは小さく笑った。