カウンターカルチャーとは、人種問題の複雑化、国際社会の不安定性、環境問題の深刻化などの行き詰まりを見せる社会の支配的(主流)文化に敵対し、反逆する文化を指す。
資本主義経済における消費主義の横行とテクノロジーの支配する抑圧的な大衆社会に対して、カウンターカルチャー的な批判の方法論である「反逆」は、現実問題を解決するどころか、かえって悪化させてきたのだと著者たちは主張する。
反逆というスタイルは既存の社会への服従=順応を拒み、差異化を追求するがゆえに、むしろ競争的消費を増大させ、エキゾチックな異文化の商業化すら招いてしまう。
問題を解決していくためには、人々と信頼が求められるが、それを実現するための具体的な制度、ルールを根底から批判するカウンターカルチャー的思考には、未来の展望はない。