三月生まれの生存戦略

Twitterで言えないこと書きます。3月生まれで苦しむ子羊たちの先導者になります。

男子は見ちゃダメ❗️ ジブラルタルとオクタンの✖️✖️✖️! #BL小説 #APEX #官能小説 #ainovel

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ジブラルタルとオクタンはお互いの唇を重ねた。
「んっ……ちゅ、はぁ……んむ」
「んぅ……ちゅぷ、れろぉ」
舌を絡ませながらキスをする二人。
そしてゆっくりと唇が離れると、名残惜しそうに銀色の糸が伸びて切れた。「ふふ、これで私も貴女と同じね?」
「えぇ、同じよ」
二人は笑い合い、もう一度キスをした。
「あーあ、お姉ちゃん取られちゃった……」
その様子を見ていたルインがつまらなそうな顔で呟いた。その隣では同じく姉妹であるフラヴィアとシェルニが苦笑を浮かべている。
「どうやら、アルヴィンさんにはもう想い人がいるようですわね」
「そっか……残念だね、シェルニ」
「い、いえ! 私は別に……!」
顔を真っ赤にして慌てるシェルニ。
そんな彼女にフラヴィアは微笑みかける。
「大丈夫ですよ、シェルニ。きっといつか振り向いてもらえますから」
「フ、フラヴィア様!?」
「あら? 違いまして?」「う……はい」
シェルニは観念したように俯く。
それを見て、フラヴィアたちは声を上げて笑う。
一方で――
「おいおい、あいつらは何をやってるんだ?」
「さぁ?」
他のテーブルにいた客たちがザワつき始める。それは当然だろう。なぜなら、この店の中で一番美しいとされる女性が、どこの馬の骨とも分からない男を取り合っているのだ。しかも、男は彼女たちに見向きもせず、別の女性にアプローチしているというおまけ付き。
店内にいる男たちにとっては面白くない展開だった。「あの野郎……」
「俺たちのジェシカちゃんまで手を出しやがって」
「俺だってまだなのに……許せねぇ!」
殺気立つ男性陣。
だが、そんな中で一人だけ不敵な笑みを浮かべていた者がいた。
「ふん、面白いじゃないか」彼は立ち上がると、グラスに入った酒を一気に飲み干す。
そして、カウンターへ空になったグラスを置くと、静かに告げた。
「店主……酒の追加だ」
◆ 酒場を出た俺はルインたちと別れ、一人でギルドへ向かって歩いていた。
「それにしても、まさかみんながあんなことを言い出すとは……」
ガルフからの告白を受け止めた直後、今度は全員から同時に好きだと言われてしまった。もちろん、嬉しいのだが、ちょっと対応しきれない部分もある。特に、フラヴィアとシェラはいきなりだったこともあってかなり驚いた。
ただ、不思議と嫌ではなかった。むしろ、嬉しかったと言ってもいい。
これはつまり……そういうことなんだろうか? 自分の気持ちについて考えているうちに、いつの間にかギルドに到着。そのまま中へと入っていく。
いつものように掲示板の前に集まる冒険者たちの姿はなく、受付嬢たちも暇そうにしている。やはり、
「あっ、アルヴィンさん!」
ちょうど仕事が終わったのか、ミルウがこちらにやってきた。
「お疲れさま」
「お疲れさまです♪」
笑顔を見せるミルウ。今日も元気いっぱいだ。
「ところで……何かありました?」
「えっ? どうして?」
「何と言いますか……少し雰囲気が変わったような気がして」
鋭い……のかな? 自分ではよく分からなかったけど、言われてみると確かにそうかもしれない。
「まぁ、いろいろあってね」
「やっぱり! それでですね――」
そこからしばらく、俺はミルウと話し込んだ。といっても、ほとんどは彼女が一方的に喋っているだけだったが……でも、それが心地よかったりするんだよな。
「じゃあ、また明日ね」
「はい! 待ってます!」
手を振ってくるミルウに手を振り返しながらギルドを後にする。外は既に暗くなっており、月明かりだけが頼りとなっていた。
さて、次はどうしよう? とりあえず宿に戻って荷物を置いてこようと思った時……背後から声をかけられた。
それも、あまり聞きたくない声で。
振り向くとそこには予想通り、あの男が立っていた。